劉慈欣『三体』の第17章を抜粋・改稿した短篇「円」について、その普遍性と中国性、そして儒教の影響について軽く書いていこうと思う。
続きを読むSF遍歴、そしてSFファンとしての世代間隔絶
去年から積極的にSFイベントに顔を出すようになって、SFファンとしての世代の差というものをしかと実感するようになったので、私が楽しんできたSFを順番になぞっていってひとつ文章にまとめてみようと思う。
この文章を通して読めば分かる通り、私のSF遍歴は極めて特殊なものではあるのだが、それでも面白い発見が得られるようなものになっていると思う。(そもそも、私の世代で積極的に発信している人間が非常に少ないのだから)
続きを読む漏水被害記録
細かいことまで書いていくつもりなので、いつもの簡潔さはない。
2020年3月28日19時ごろ、帰省・研究出張で合わせて3週間ぶりに仙台の部屋に帰ってきたら、部屋が水浸しになっていた。
玄関開けてすぐのキッチンの床一面に水が溢れていた。以前、キッチンの水盤と配管の継ぎ目のパッキンが劣化していたことを原因とする軽い漏水の被害に遭っていたので、またそれかと思ってキッチン下の収納を開けて確認したが、どうにも違うようだった。
収納の扉を閉めて顔を上げる途中で、顔のすぐ脇の壁が膨らんでいるのに気づいた。そのまま目線を上げると、キッチン横のトイレの外側の壁紙がボコボコに膨らんでいた。そして、天井から滴ってきた水が眼鏡に当たった。
戸を開けた先の、居室の方がより酷かった。部屋の中ほどまで水が広がっていて、天井や壁から絶えず水が滴り落ちてくる。とりあえず部屋に入って、緊急連絡先と貴重品をまとめて持ち出して、上階の住人(空室だった)に水を止めるよう伝えてのち、(大学生協の管理物件だったので)生協と実家と友人に立て続けに電話をかけた。ここまで5分ほど。
30分で生協の方がまず来て、とにかく原因を突き止めて水を止めることに。そうこうしているうちに友人が車を出してくれて、私のもっている重要な文献をまとめて救出。
その後も生協の方が次々にやって来て、最終的には自分含め6、7人で3時間以上かかって荷物の運び出しが終了。出した荷物は同じ建物の別の部屋に仮置きすることになり、1350冊以上の蔵書と生活用品、そして研究で使っていた膨大な数の論文が混在する魔窟が無事誕生。
3週間家開けてて仙台に帰ってきたら天井からの漏水で部屋が水浸しになってました
— 下村思游 (@ss_scifi) 2020年3月28日
幸いなことに、炊飯器と電子レンジが水没した程度で、本はここ2、3年ぐらいのSFMが4冊ダメになった程度で被害はそこまでではありませんでした
気をつけようがありませんが、漏水にはお気をつけください
緊急避難に成功した本
— 下村思游 (@ss_scifi) 2020年3月28日
浸水被害は4/1350
不幸中の幸い pic.twitter.com/1yw4PMDt3C
このとき、被害はSFMが4冊だけ、と言ったが、それは部屋の表に出ていた本の被害だけで、実際にはもっと深刻だった。一番被害が大きかったのは段ボールに入れて押し入れにしまっていた本。押入れの壁面と床面を伝って水が回って来ていたらしく、それらの本の半分ほどを廃棄。幸い、重要度の低い本をしまっていたのであまり痛手ではなかった。
絶版本で廃棄したのは、河出の奇想コレクションの一冊、マーゴ・ラナガン『ブラック・ジュース』だけ。これならまた買い直せばいい。
家財ではプリンタと炊飯器が水没し廃棄。
天井からの漏水にもかかわらず、ここまで被害が少なかったのは運が良かった。それに加えて、床には本を置かないことを徹底していたのが良かったのだろうと思う。
今回の漏水には一切責任がなく、帰ったら水浸しだったので非常に精神が疲れた。結局2日間友人宅に身を寄せさせてもらうことになり、連日連夜不動産屋とか生協とか共済に電話をかけ続ける夢を見て、どこに電話をかけたのか、どこから電話がかかって来たのか、それが夢なのか現実なのかわからなくなったということもあった。
いまは同じ建物の中で部屋を借り換えて、生活用品も買い換えて、ほぼ通常の生活が出来るようになった。食べ慣れた長岡の米が食えるのが一番落ち着く。
これ以上特に書くことはない。
追記(2020/04/11)
部屋に入った生協の人に、「筒井康隆お好きなんですか」と言われた。筒井康隆のポスターが部屋に貼られてて、筒井康隆全集があって、筒井康隆の本が本棚にみっちり刺さっている部屋を見て、筒井康隆ファンでないわけがなかろう。
本を運び出しながら、生協の人たちが筒井康隆と星新一の作品は面白いよね、という話をしているのが聞こえた。われながら、読んでる本が古すぎる。
伴名練「白萩家食卓眺望」について
ブログ開設から2年、SFを游いで
1月の末の時点でブログ開設から2年が経過していたが、そんなことはすっかり忘れてふわふわしていた。
この1年はひどく長く感じられた。いろいろなことがあったからだろうか。
さて、なんとなく書いていこうかと思う。
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中国SF研究Ⅱ「『東北大SF研、中国SFを大いに語る』配布資料追記版」
本記事は、2019年10月12日の夕方から翌13日朝にかけて行われた京都SFフェスティバル2019合宿において主催した企画「東北大SF研、中国SFを大いに語る」の配布資料の追記版である。
なお、企画の内容は勝手ながら企画主催者である下村の判断で拡散禁止としたため、内容そのものはその場限りのお楽しみということにさせていただいた。実際の企画内容は本資料に沿ったものではない。当時実際に配布した資料はPDFとして東北大SF研wikiで公開中。
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