物理学
円城塔「十二面体関係」について、物語の幾何学的構造と代数的構造について数学的に検討したのち、物理的考察を加えて作品宇宙における時間の生成機構を見る。
円城塔「内在天文学」について、具体的な計算を交えつつ、生物物理学・数理物理学・素粒子物理学にも触れながら詳細に見る。
伴名練編『日本SFの臨界点〔恋愛篇〕』で円城塔「ムーンシャイン」を久しぶりに読んで、最初に読んだときには気づけなかったことに気づけたので、ここに書いていこうと思う。
今回は珍しく物理学の話題。まず量子力学の基本原理を提示した上で、それらの原理から不確定性関係(いわゆる不確定性原理)を導出し、不確定性関係が量子力学の根幹を成す原理ではないことを示す*1。あとついでに量子力学っぽいSFのどこが物理学的に間違っ…