SF游歩道

語ろう、感電するほどのSFを!

漏水被害記録

細かいことまで書いていくつもりなので、いつもの簡潔さはない。

 

2020年3月28日19時ごろ、帰省・研究出張で合わせて3週間ぶりに仙台の部屋に帰ってきたら、部屋が水浸しになっていた。

玄関開けてすぐのキッチンの床一面に水が溢れていた。以前、キッチンの水盤と配管の継ぎ目のパッキンが劣化していたことを原因とする軽い漏水の被害に遭っていたので、またそれかと思ってキッチン下の収納を開けて確認したが、どうにも違うようだった。

収納の扉を閉めて顔を上げる途中で、顔のすぐ脇の壁が膨らんでいるのに気づいた。そのまま目線を上げると、キッチン横のトイレの外側の壁紙がボコボコに膨らんでいた。そして、天井から滴ってきた水が眼鏡に当たった。

戸を開けた先の、居室の方がより酷かった。部屋の中ほどまで水が広がっていて、天井や壁から絶えず水が滴り落ちてくる。とりあえず部屋に入って、緊急連絡先と貴重品をまとめて持ち出して、上階の住人(空室だった)に水を止めるよう伝えてのち、(大学生協の管理物件だったので)生協と実家と友人に立て続けに電話をかけた。ここまで5分ほど。

 

30分で生協の方がまず来て、とにかく原因を突き止めて水を止めることに。そうこうしているうちに友人が車を出してくれて、私のもっている重要な文献をまとめて救出。

その後も生協の方が次々にやって来て、最終的には自分含め6、7人で3時間以上かかって荷物の運び出しが終了。出した荷物は同じ建物の別の部屋に仮置きすることになり、1350冊以上の蔵書と生活用品、そして研究で使っていた膨大な数の論文が混在する魔窟が無事誕生。

 

このとき、被害はSFMが4冊だけ、と言ったが、それは部屋の表に出ていた本の被害だけで、実際にはもっと深刻だった。一番被害が大きかったのは段ボールに入れて押し入れにしまっていた本。押入れの壁面と床面を伝って水が回って来ていたらしく、それらの本の半分ほどを廃棄。幸い、重要度の低い本をしまっていたのであまり痛手ではなかった。

絶版本で廃棄したのは、河出の奇想コレクションの一冊、マーゴ・ラナガン『ブラック・ジュース』だけ。これならまた買い直せばいい。

家財ではプリンタと炊飯器が水没し廃棄。

天井からの漏水にもかかわらず、ここまで被害が少なかったのは運が良かった。それに加えて、床には本を置かないことを徹底していたのが良かったのだろうと思う。

 

今回の漏水には一切責任がなく、帰ったら水浸しだったので非常に精神が疲れた。結局2日間友人宅に身を寄せさせてもらうことになり、連日連夜不動産屋とか生協とか共済に電話をかけ続ける夢を見て、どこに電話をかけたのか、どこから電話がかかって来たのか、それが夢なのか現実なのかわからなくなったということもあった。

いまは同じ建物の中で部屋を借り換えて、生活用品も買い換えて、ほぼ通常の生活が出来るようになった。食べ慣れた長岡の米が食えるのが一番落ち着く。

 

これ以上特に書くことはない。

追記(2020/04/11)
部屋に入った生協の人に、「筒井康隆お好きなんですか」と言われた。筒井康隆のポスターが部屋に貼られてて、筒井康隆全集があって、筒井康隆の本が本棚にみっちり刺さっている部屋を見て、筒井康隆ファンでないわけがなかろう。

本を運び出しながら、生協の人たちが筒井康隆星新一の作品は面白いよね、という話をしているのが聞こえた。われながら、読んでる本が古すぎる。