SF游歩道

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読書録抜粋0

読書録抜粋についての前書き。

 

はじめに

読書録について

学部入学以来、読んだ本について一冊ずつ読み終えた日・タイトル・感想を律儀に付けている。この読書録抜粋は、ここから外に出してもいいものを抜粋して掲載し、そこに現在の自分のコメントを付けていくものである。

この読書録には、ノートに万年筆で一発書きしている都合、誤字や文脈の混乱が多数生じている。この読書録抜粋においては、誤字のみ訂正して文章の破綻についてはそのままとした。推敲しなければ、所詮この程度の文章しか書けないという証拠になると思う。

読書録の有用性

創作・批評を問わず、文章に関する活動を少しでも志している者にとって、日常的に文章を書くことは非常に重要である。それが文章に関する文章であればなおよい。つまり、読書の記録をつけるのは大変に好ましい。

読書録を習慣的につけることは、読んだ本が何を主張しており、それがどのような文脈で主張されたのか、それがどのような評価を受けているのかを理解する助けになる。その本を自分なりに解釈し、自分の言葉で整理することは、読解に関する基礎能力を養うだけでなく、表現に関する基礎能力を養うことにもつながる。

読書録抜粋の目的

この読書録抜粋の目的は以下の通り。

  • 読書記録をつけることが文章力を向上させることの実例を示す。
  • 過去の文章を自ら公開し、読書記録の敷居を下げる。
  • 過去の自分に記事の増産を肩代わりしてもらう。

最後のものは別として、一連の記事を公開することで書評に気軽に取り組むことを促進したい。多くの人が書評に取り組み、最終的に高品質の書評に多く触れられるようになることは社会的にも好ましく、また個人的にもありがたい。

 

余談:書評のすすめ

実際に書き始めればわかることではあるが、書評は難しい。はじめは誰もが難航するはずで、焦らずじっくりと経験を積んで行けばいいと思う。

もちろん読書録や書評をブログやTwitterで公開してもいいし、非公開の私的なものに書き溜めてもいい。文芸サークルなどに所属していれば、サークルのSlackなりDiscodなりに読書録用のチャンネルを立てて共有するのもいいだろう。

個人的には、最終的にはブログなどで書評を公開することを勧めたい。一定の品質の書評を継続的に発表していれば、いずれ誰かの目に留まり依頼が来る、ということも考えられる。大学SF研など文芸サークルに所属しているならば、サークルの看板を借りてレビュー本などを継続的に出せばより訴求的。

最終的な目標が創作であっても、書評で売った名前は確実に生きてくる。もちろん作家デビューのための戦略としては公募新人賞を受賞するのが一般的だが、予め名前を広めておけばデビュー後の商業展開においてより有利だろう。読書経験を積みつつ行える副次的な戦略としても、書評は効果的だと思う。

余談の余談:筆名はきちんと考えよう

書評で世に出ることを考えると、重要になってくるのは筆名である。文章を書く以上、最悪の場合国語の教科書に載ってしまうことを考えて、慎重に考えたほうがいいだろう。

特に、作家や評論家は新人賞受賞から刊行までに改名するチャンスがある一方で、書評家にはそれが存在しない。例えば、SFMの書評欄にいきなり書くことになった私がそうだし、同じくSFMの百合特集で誌面に登場した鯨井久志、ハヤカワ文庫JA総解説でミステリマガジン・SFM両誌面に登場し後に小川哲『嘘と正典』文庫解説を担当した鷲羽巧もそうだった。

文筆家にとって筆名は一番重要なものである。実際に人前で名乗って後悔しないものを慎重に選ばなければならない。(あるいは、ネットのHNを誌面でも用いるのが普通になるのかもしれない)

また、現代において、本名をそのまま、あるいは本名由来のものを筆名として名乗るのは避けたほうが無難だろう。特に学生については、就職活動で不利を受ける可能性があるので、徹底的に避けるべきだと思う(出版関係など、有利になる場合もあるがそれは極めて例外)。