新海誠監督の新作『天気の子』を公開初日に鑑賞し、面白くなかったと感じたし非常に疑問点が多かったのでこの文章を書くことで整理したい。
前作『君の名は。』は、物語の構造とその論理性、そして“なぜその物語を物語らなければならないのか”という問題に対してその物語の中で回答を示した自己言及性において、自分の理想とする完璧な作品であった。
前作の成功が完全に論理的に導かれた必然的なものであり、かつこの物語の完成度を超えることは論理的に不可能であると理解していたので、今回の『天気の子』でどのような物語を展開するのか非常に気になっていた。
結論、本作は『君の名は。』の逆の物語構造を忠実に行った作品である。両作でなにが対立しているのかということを、整理しながらひとつひとつ見ていきたい。
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