題のとおり、2021年12月25日発売のSFマガジン2022年2月号に、エッセイ「未来のSFを担う人に:SFへの参加のすすめ」を寄稿しました。 SFマガジン 2022年 2月号 早川書房 Amazon
前々回、前回に引き続き、10月25日発売のSFM2021年12月号のハヤカワ文庫JA総解説PART3に参加いたしました。
前回に引き続き、8月25日発売のSFM2021年10月号のハヤカワ文庫JA総解説PART2に参加いたしました。 SFマガジン 2021年 10月号 早川書房 Amazon
大分出遅れましたが、6月25日発売のSFM2021年8月号のハヤカワ文庫JA総解説PART1に私も参加いたしました。
円城塔「for Smullyan」について、作中で扱う命題について再検討したのち、議論の不足を指摘する。
円城塔「十二面体関係」について、物語の幾何学的構造と代数的構造について数学的に検討したのち、物理的考察を加えて作品宇宙における時間の生成機構を見る。
優れた学者の文章などを読んでいると、学者は研究対象について寝ても覚めても考えつづけられるような人間でなければならないという旨の文章をよく見かける。これについて、自分はずっと嘘だと思っていた。というのも、研究は自らのもつ知的能力をひとところ…
『文字渦』(2018/07/31刊行)完結以後の円城塔作品について、その位置付けについて検討を行う。随時追記予定。
円城塔「内在天文学」について、具体的な計算を交えつつ、生物物理学・数理物理学・素粒子物理学にも触れながら詳細に見る。
以前 VRChat に触れて以来、自分でもデバイスを調達してやりたいなと思いつつ高価なPCに手を出せない鬱屈とした日々が続いていた。 なんか外にも出られないし、なんか10万円もらえたし、Oculus Quest を購入して晴れて VR の世界に降り立つことが出来た。以…
週末ごとに活動して世に送り出すようなバランスの取れた健全なSF活動を心がけたい。
劉慈欣『三体』の第17章を抜粋・改稿した短篇「円」について、その普遍性と中国性、特に儒教の影響について軽く書いていこうと思う。
伴名練編『日本SFの臨界点〔恋愛篇〕』で円城塔「ムーンシャイン」を久しぶりに読んで、最初に読んだときには気づけなかったことに気づけたので、ここに書いていこうと思う。
伴名練の新作は、今回もいい作品だった。《小説すばる》掲載ということもあって、一見SF色薄めな仕上がりにも見えるが、一通り読めばSFに対する批評的姿勢がよく見えてくるようになる。この人の作品を読むのは、変わらず恐ろしい。
大変に言及したくないことではあるが、これについて整理しないことにはなにも手につかない。私、下村思游が東北大SF・推理研を退会した経緯について書く。
今回は珍しく物理学の話題。まず量子力学の基本原理を提示した上で、それらの原理から不確定性関係(いわゆる不確定性原理)を導出し、不確定性関係が量子力学の根幹を成す原理ではないことを示す*1。あとついでに量子力学っぽいSFのどこが物理学的に間違っ…
去年から積極的にSFイベントに顔を出すようになって、SFファンとしての世代の差というものをしかと実感するようになったので、私が楽しんできたSFを順番になぞっていってひとつ文章にまとめてみようと思う。 この文章を通して読めば分かる通り、私のSF遍歴は…
細かいことまで書いていくつもりなので、いつもの簡潔さはない。 2020年3月28日19時ごろ、帰省・研究出張で合わせて3週間ぶりに仙台の部屋に帰ってきたら、部屋が水浸しになっていた。 玄関開けてすぐのキッチンの床一面に水が溢れていた。以前、キッチンの…
SFM2020年4月号掲載のこの伴名練の新作について、読み終えてからずっとSFを読むという行為への自戒をし続けている。SFMを取り出して読んでは、ぐるぐると同じことばかりを考えている。 SFマガジン2020年04月号 早川書房 Amazon
1月の末の時点でブログ開設から2年が経過していたが、そんなことはすっかり忘れてふわふわしていた。 この1年はひどく長く感じられた。いろいろなことがあったからだろうか。 さて、なんとなく書いていこうかと思う。
京都SFフェスティバル2019合宿企画『東北大SF研、中国SFを大いに語る』配布資料の追記版。
中国で高く評価されているものの、日本ではほとんど紹介されていない中国SF、「永消失的電波」を紹介する。本作中国のSFファンの好みによく合致した作品であり、中国のSFファンの好みを知る上で非常に重要な位置を占める作品である。
2019年は非常にやり残しの多かった1年だった。学部最後の年なので当然と言えば当然なのだが。 ここでやってきたことを振り返って、2020年代にやりたいことも整理しようと思う。(珍しくブログらしい記事だ) 今年やりきったこと 特になし 無念なり。 今年は…
本作は韓松の本質的な特徴を日本に紹介するにあたっては非常に重要な位置を占めると考える。
この文章は『文學界』2020年12月号掲載の伴名練のエッセイ「延命小説」の解説と、私の個人的な感想の入り混じった文章になる。 まず解説から行っていく。 結論として、私はこの作品を伴名練の最高傑作であると考えている。なぜなら、この作品が完璧なSFで…
昨年の10月、東北大SF研の部会において、私はテッド・チャンの「The Great Silence」という短篇を翻訳して紹介した。以下の文章は、その際の訳者解説である。
東北大SF・推理研バーチャル会員である卜部理玲が、伴名練のSF作品集『なめらかな世界と、その敵』に関する1万字におよぶ文章をnoteで公開している。 これらの文章はおおむね満足いくものではあるのだが、1作だけ、「ゼロ年代の臨界点」に関しては読み…
新海誠監督の新作『天気の子』を公開初日に鑑賞し、面白くなかったと感じたし非常に疑問点が多かったのでこの文章を書くことで整理したい。 前作『君の名は。』は、物語の構造とその論理性、そして“なぜその物語を物語らなければならないのか”という問題に対…
平成が終わり、令和が始まった2019年。新しい時代の訪れとともに読んだ本を整理し、大学生活最後の半年に繋げていこうと思う。 上半期のベスト10 1.「ディアスポラ」(グレッグ・イーガン/山岸真、ハヤカワ文庫SF) ディアスポラ (ハヤカワ文庫 S…
VR技術をSFファンとして体験し、そのSF性について重要な発見をいくつかしているので、その感動を忘れないうちに記録しておくことにした。 あくまでメモ程度であるので整理はされていない。とにかくこの発見を記録しておくことが最優先事項であると判断…